※ 本メールは株式会社システム・ケイからの情報提供にご了承いただいているお客様にお送りしております。
組織における情報システム担当者の役割は、実に様々です。勤怠管理や人事給与、経費精算などの管理業務を支えるシステム支援、販売や受発注など外部との取引を伴う中核業務を支えるアプリ維持更新、予約管理や情報の登録の様に各種イベントの実行を支える基盤管理など、例を挙げればキリがありません。
カメラシステムの導入に際し、弊社にご相談いただく方の職種は実に様々ですが、最近はIT管理担当の方にネットワークカメラや映像データ管理のミッションが移管され、どの様に進めて良いか模索しているという話を多く聞きます。元来カメラに関する選定や管理の役割は、保全を目的とした設備管理係、防犯対策を実施する施設管理係に多くある傾向にありましたが、アナログカメラからネットワークカメラとなった事でIPの管理や蓄積するデータ管理などが必要となったため、主管が情報システム係へ移り始めている傾向があります。
ただでさえ忙しいのに、カメラのシステム検討とデータ管理までやっていられない・・・そんな声が今にも聞こえて来そうですが、ご安心ください。実装手段は多岐に及びますが、そのシステムの用途からステップを踏んで検討を進めることで、短期間で効率的にシステムを準備し、少ない運用負荷での稼働が実現できます。今回は新たに上記の様なシステムの主管となる方や、これから担当になりそうな方、または諸事情で頼むべきメンバーがいない方などに向けて、データ保管場所の最適と思われるアプローチについて説明したいと思います(カメラの選定については次回以降でご紹介させていただきます)。
・アプローチ1 使用用途からのサービスレベル見極め 新規、既存を問わず、カメラシステムを用意するにはその目的があります。空間におけるセキュリティや防犯、導線改善のための行動動作記録、最近ではAIを用いた画像認識による人間の代替など様々です。人の目の代わりとして重要な役割を担い、ミスは許されないとなると、逆に実現できた場合の投資対効果も高い事となり、このような場合は組織の予算も大きく配分される可能性があります。一方で、何かインシデントがあった場合に提出するための動画記録、動きがあった時だけ検知して素早く事象を察知したいなど、使用頻度が決して多くは想定されない場合、多くの費用をそこに割く判断は難しい場合があります。システムの目的やデータをロスした場合の影響度などを考慮し、ある程度のサービスレベル=コスト感を持っておくことが大切です。
・アプローチ2 必要容量の決定 必要となるデータ容量に関しても、アプローチ1の検討の延長線にあります。人間同様の高レベルで一瞬の記録・連携も逃さない場合は、予算の許す限り高い解像度と高いフレームレートを選択する方針となります。一方で、決して前述の限りではない用途であれば、どこまで低くそれぞれのパラメータを抑えられるかで、保管する容量=コストを抑える事が可能です。システム・ケイでは、以下のページで選択する容量と画質で何日分の録画が可能かを算出する簡易的なツールを公開しておりますので、是非感触を掴んでいただければと思います。
【関連リンク】 ・NVR録画保存日数計算ツールの使い方 ・録画保存日数計算 ・フレームレート(FPS)って何?どのくらいの値にすればいいの?
・アプローチ3 ソリューションの選定 これまでのアプローチを経て、概ね実現するシステムの位置づけと容量について感触を把握した後に、具体的にどのような実装手段が最適かを検討することとなります。いわゆる一般的な情報インフラと映像管理システムの違いについて以下の表に記載します。アプローチ1・2で記載した「コストの高いシステム」は「一般的に多くある情報システム」と読み替えてご参照ください。
必要となるもの |
一般的に多くある情報システム (高度な映像管理 システム含む) |
映像管理システム (そこまでコストをかけずに 実現することが目標) |
サーバー資源 |
・別途サーバー機を用意するケースが多い ・ある程度のCPUとメモリが必要 |
・カメラで取得した映像管理のソフトウェアが動作すれば良く、ストレージと一体型での提供が一般的 |
データ保管環境 (ストレージ) |
・大量データが必要となる場合は、外部ストレージを調達するケースが多い ・データベースを稼働させる場合には、SSDやハードディスク複数での並列書き込み構成が必要となるケースが多い |
・転送レートや画質などを考慮し、必要となる書き込み性能に合わせて廉価なハードディスクからSSDを組み合わせた構成までを選択する |
図表1 映像管理システムと一般的な情報システムの特徴比較
映像管理システムは用途が限られている分、アプライアンス型での提供形態が多く存在します。弊社からもNVRとして複数のラインナップを揃えています。一般的な組織のシステム基盤ですでに仮想環境が存在する場合は、映像管理用にリソースを配分することも可能ですが、比較的データ容量が他のシステムと比較すると多くなるため、保管するにはコストが嵩んでしまう懸念もあります。アプライアンス型での普及が進むのは、その様な理由も背景にあるものと推察されます。
これでいつでも導入可能となれば良いですが、思うようにいかないのがこのご時世です。365日のデータ保管が必要、そこまで重要じゃないけど高精細なデータで見栄えを良くしたいなど、サービスレベル的には低い要件でも、多くのデータ保管、多くのカメラで動画を撮影するというニーズは数多く存在します。イメージとしては、下図の点線部に該当するニーズです。
図表2 映像管理システムのコスト・容量での選択候補(イメージ図)
弊社のNVR-Proはそのレンジに該当する製品で、特に最近は多くの問い合わせをいただいております。もちろん、サーバー+廉価版大容量NASで同じこともできますが、データコストに応じた配分や、管理面を考慮すると、専用装置の方が効率的にニーズを満たせる可能性が高い事が背景にあるものと考えられます。
これでいよいよ何が来てもOK!となりましたでしょうか。ひとまず、環境を作るという目標は達成できたかもしれません。ここで皆様がもう一段階その組織や身の回りにアピールするため、是非とも撮りためた映像資源を活用し、省力化や運用効率化の実現に向けたAI活用もご検討ください。情報システム担当の真のミッションは、その領域への期待に応える事となります。 システム・ケイでは、以下の様な先進のAI活用事例もご紹介しておりますので、是非とも情報をチェックいただければと思います。
|